遺影の大切さ

URLをコピーする
URLをコピーしました!
目次

遺影とは

遺影とは、ご存じのようにお通夜や葬儀のときに祭壇などに飾る故人の写真のことです。肖像画のこともあります。その後もその写真を小さいサイズにして額に入れ仏壇や居間に飾ったり、仏間の上の方や床の間に飾るご家庭が多いです。最近増えてきた「家族葬」にするにしろ遺影を用意することが一般的です。

あなたは芸能人など有名な方の葬儀のときの写真で想いだせるものがありますか? その方達の葬儀で使われた写真というのは、その方らしさ、その方の良い面が全面に感じられる、とてもいい写真が使われていますよね?同じようにご自分の遺影もそういう「自分らしい1枚」にしたいのではないでしょうか。

これは私の経験から思う事ですが、故人のことを想う時、葬儀で使われた遺影写真を想いだすことが多いと思います。

私は日本の実家に帰ると仏壇がある部屋には母の葬儀で使われた遺影が額に入って、上の方に飾られています。母との思い出は多く、他にもたくさん母の写真はあるのですが、どうしてもその写真を見ることが多いので、母を想うとその写真の母の顔が目に浮かびます。それが母の取っておきの母らしさが出ている写真なら良いのですが、そうではなくて、ある記念日のときにプロのカメラマンに撮ってもらった、こうなんとなく「澄ました感じの固い表情」で、母の優しい感じが全然表れていないのです。なので、母の私が大好きだった笑顔の写真を葬儀で使いたかったな、と思いました。 葬儀に来てくださった方達が最後に見るのは母の優しい笑顔の写真が良かったのにな、と思います。でもその時にはそんなことまで考える余裕などは全くなくて、こうして考えられるようになったのは何年も経ってからのことです。

遺影を準備しておくメリット

考えたくないことだとは思いますが、今、ひとつ考えてみてください。もしもあなたが突然に亡くなったとして遺影を用意をしていなかったら、あなたのどの写真をご家族が使うと思いますか? どうやってその写真をご家族の方が探すと思いますか?すぐ答えられる方がどれくらいらっしゃるでしょうか?

すぐにいい写真が見つからなかったからと、運転免許証やパスポートの写真を使われたら嫌ではありませんか?もし家族がどれか1枚写真を見つけたとしても、あなたが好きな写真ではなかったら嫌ではありませんか?(たとえ貴方がその葬儀で実際にそれを見ることはないとはいえ!)

家族が用意しようとしたら、いい写真が全然見つからず「遺影に使える写真を持っていませんか?」と故人の親しい友人や仕事関連の方にご家族が聞いたりすることがあるそうです。

経験のある方はお分かりかと思いますが、亡くなった途端にお通夜や葬儀のことでやらなければいけないことが次から次へと出てきて「泣いてる暇なんかない」という状態になるのが普通かと思います。遺影に使える適切な写真を遺族が短時間で探すのはとても大変なこと。 一般的には故人が亡くなってからお通夜までは1日くらいです。その短時間に探そうとすると「正面を向いてない」「他の人が写ってる」「サイズが小さい」「最近撮ったのがない」などいろいろな意味で適切な写真を見つけるのはとても難しいことが多いです。本人のスマホを開いてみることができても、本人の写真があることは少ないものです。

そのため、この機会に自分で写真を選んでおく、あるいは近々に撮っておく将来的に撮っていくなかで選んで用意しておく、ということをお勧めします。

そして、その写真をきちんと使ってもらえるように、どこにあるか分かるようにしておくことが大切です。私は1枚選んであり、それがどこにあるかをエンディングノートに書いてあります。USBとパソコンに入っていて、その場所を子供達に話してあります。パソコンのパスワードも教えてあります。

遺影を選んで決めておくことで、家族の負担が少しでも減らせますし、自分のお気に入りの写真を使うことができるというメリットがあります。

まだ用意されていない方は、この機会に考え始めてみませんか?

遺影を選ぶポイント

遺影は決して亡くなる前に近いときの写真である必要はないです。自分が家族や友人に「こういう自分を覚えておいてほしい」という写真を選ばれたらいいと思います。私が選んだ1枚は55歳の頃に撮ったものですが、自分らしさが出ていてとても気に入っており、この自分を覚えておいてほしいなと思って選びました。でもこれからもっといい写真が撮れたらそれに変えていきます。

ただ亡くなった時よりも何十年も前の写真では、違いがありすぎて、葬儀に参列された方が不自然に感じることがあるかと思います。自分で1枚だけを選べないときは、お気に入りの写真だけをまとめてアルバムにしておき、お通夜や葬儀のときに見てもらえるようにしておいたり、スライドショーのようにして流してもらうこともできます。この頃は以前のように紙に印刷した写真ではなく、デジタルで映すところも多くなってきています。機会を見つけてお近くの葬儀会社の方にどんなことができるのか、聞いてみてください。

ご遺族が選ぶのならば、故人の人柄がよく表れている写真がいいですね。一般的には故人が亡くなる1年から5年くらいの間に撮った写真を選ぶことになることが多いようです。最近は画像画工の技術が進んでいるので、もしも選んだ写真の背景が似つかわしくなかったり、他の人が写ったりしていても、変更したり消したりすることができたりしますので、葬儀の会社の人に相談してみましょう。

遺影の額縁選び

遺影を入れる額は以前は黒が殆どでしたが、最近は白っぽいもの、木目調のもの、ゴールドのもの、いろいろとあります。選んだ写真に合わせて自分で決めておくとよりいいです。そしてそういった遺影に関する自分の意思をエンディングノートに書いておきましょう。

これから遺影を撮影するのなら

これから準備するのなら、確実なのはやはり写真館やスタジオで撮ってもらうことです。メイクや髪のセットなど、いろいろなプランがあるところが多いので最適なものを選びましょう。お近くに写真館や写真スタジオがあるのなら、料金やオプショナルの追加サービスにどんなものがあるのか是非聞いてみてください。

そして簡単なのはスマホやデジタルカメラで自分で撮ったり、家族や友人に撮ってもらうことです。自分のお気に入りの服を着て、お気に入りの髪型(+お気に入りのメイク)をした写真をたくさん撮ってみましょう。誰かに頼めない場合は自撮り棒や三脚などを使う事もできます。そしてデジタルの写真は今は画像加工ができますので、撮ってからもっと好きなように加工して修正することも可能です。

家族と一緒の写真を撮っておく大切さ

お子さんがいる方ならご理解頂けるかと思いますが、私は家族と自分が写っている写真は本当に少ないです。何故か?「ママはいつもカメラマンになってしまう」からです。日頃の生活の中でも旅行先でも、子供達だけの写真や子供たちとパパのツーショットや子供達とパパとの3人での写真が殆どです。私と子供達が一緒に写っている写真はとてもとても少ないです。夫と二人だけの写真も殆どないです。

貴方はどうでしょうか?ご家族と一緒に写っている思い出に残る写真はたくさんありますか?たくさんあるのならそれはとてもステキなことです。そしてもしもあまり無いのなら今からでも意識して撮るようにしたいですね。自分がまだ元気なうちには自分でそれらの写真を見返し思い出を振り返ることができますし、後に遺された家族があなたのことを思い出すときに見返すことができます。

愛する家族と一緒に撮った思い出の写真を棺に入れてほしい方もいらっしゃるのではないでしょうか?

葬儀会社などの終活イベントへの参加

葬儀会社なとがイベントを開催して、遺影の撮影会を行うときがあります。遺影のことだけではなく、葬儀のことなど聞いてみたいことを気軽に相談することもできるので、近くでそういう催しがあれば一度参加してみるといいですね。葬儀会社の方達はその道のプロですから、分からないことはとにかく何でも聞いてしまいましょう。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
URLをコピーする
URLをコピーしました!

この記事を書いた人

30歳で日本を離れアジア数か国で仕事をした後にシドニーへ。オーストラリア人の夫と二人の娘+ワンコ1匹と暮らしています。以前は汚部屋に住んでいましたが数年前に片付けに目覚め、整理収納、写真整理、お掃除、終活関連の資格を取得。55歳のときに資格を取り今は訪問介護の仕事もしております。

目次
閉じる